2015年5月27日水曜日

MACDの本当の使い方(8): チャンスを増やす工夫

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「MACDの本当の使い方」シリーズ第八回(最終回)は、チャンスを増やすための工夫についてです。

MACD二刀流

短期のMACDの利点は、相場の変化に敏感に反応するため、シグナルが多く出現することです。欠点は、レスポンスに優れる反面、ダマシが多くなりがちなことです。

しかし前回紹介したように、上位時間足(もしくは期間の長い)のMACDを、短期のMACDのダマシを見抜くために利用することができます。一方短期のMACDは、中長期のMACDのダマシのダメージを軽減し、時には利益に変えることさえあります。

期間の異なるMACD同士は、互いの弱点を補い合う関係にあるのです。このため、短期と中期両方のMACDを使えば、ダマシを少なくしつつ、チャンスを増やすことができます。


ユーロドルの日足です。これまで説明したテクニックを元に、短期・中期のMACDのシグナルを書きました。実は前半には、チャートの写っていない部分を根拠にした水平ラインブレイクなどのシグナルがまだ書けるのですが、それらは省いています。

強力なトレンドがあったため、そのほとんどが成功しています。トレンドフォローの本領発揮です。

短期のMACDの方が多くのシグナルが出ていることは説明した通りですが、ポイントは出るタイミングがずれているものがあることです。二つ組み合わせれば、短期のMACD単体よりもシグナル数が増えるのです。

短期のMACDがシグナルを出した後に、中期のMACDがシグナルを出した場合などは、格好の増し玉のチャンスです。細かく決済するタイプの人であれば、それぞれをエントリーチャンスに利用することもできます。

足が確定してからエントリーしたほうがいいの?

足が確定してからエントリーするのか、それとも見切り発車的に足の形成中にエントリーするのか、は悩ましいところです。

慎重派はダマシを恐れて、足が確定するのを待ちます。一方、積極派は遅きに失してしまう方が、トータルの利益が少なくなると考えます。単に待てないだけかもしれませんが。。。

私は待つのが苦手なので、積極派です。それでもやはり、ダマシに引っかかるのはなるべく避けたいので、下位の時間足を確認してどれくらい取れそうかを考えてエントリーしています。

MACDは、RSIやストキャスティクスのようなオシレーターと比べて、急な方向転換が少ないです。このため、積極派でもダマシに引っかかりにくい指標だと言えます。

いずれにせよ、この問いに正解はありません。どちらのポリシーを使っても、利益を上げることは可能です。自分の性格や、使用している他のテクニカル指標との相性を考えて検討するといいでしょう。

MACDヒストグラム

大抵のMACDにはMACDヒストグラム(OsMA)が一緒に表示されています。MACDよりも敏感に相場に反応して、早い時点で売買シグナルを得るために開発されたテクニカル指標です。

実際にチャートを見てみても、スイングの転換点をしばしば的確なタイミングで捉えています。明確なトレンドがなく上下動を繰り返す局面では、MACDヒストグラムのサインに従った逆張りが有効です。一方MACDはこのような局面を苦手としており、併用することで弱点をカバーすることができます。

下図は120円前後でもみ合うドル円日足です。MACDでは反応しきれない部分にも対処できています。それでも後半の非常に狭いレンジ相場はさすがにきつい模様。ここまで狭くなった場合は、時間足を下げてより小さなトレンドに焦点を合わせましょう。


トレンド相場では、押しや戻しのタイミングをとらえるために役に立ちます。移動平均線や基準線にタッチしたところは押し目買いや戻り売りのチャンスとしてよく利用されますが、このときMACDヒストグラムも確認しておけば、精度を向上させることができます。

ただし、大きなトレンドの天井や底をとらえるためにMACDヒストグラムを使うのは避けたほうがいいでしょう。ダイバージェンスの項でも述べたように、トレンドの勢いが弱まったからといって必ずしも転換するわけではないからです。

MACDヒストグラムとMACDは計算式がよく似ており、いわば"MACDのMACD"です。両者とも予測対象の値とその移動平均の差を取っている点が共通しています。
  • MACD = 短期EMA(≒チャートの価格)と長期EMAの差
    チャートの価格の変動を予測
  • MACDヒストグラム = MACDとシグナルライン(MACDのSMA)の差
    MACDの変動を予測

似た者同士なので、MACDで使用しているテクニックをMACDヒストグラムにも流用することが可能です。ヒストグラムの状態では見づらいですが、水平ラインブレイクなどが有効です。

MACDの売買シグナル発生にMACDヒストグラムの水平ラインブレイクが先行することはしばしばあり、シグナルの見極めに有用です。MACDヒストグラムを使ってMACDの動きを予測し、それをチャートの値動きの予測精度の向上につなげるわけです。

まとめ

全8回で、たくさんのシグナルを解説してきました。多くの人が知っているMACDの使い方が、そのほんの一部だったと気付いていただけたと思います。

MACDを見直した!という方はぜひ、MACDの開発者であるジェラルド・アペルの著書「アペル流テクニカル売買のコツ」も読んでみてください。さすが開発者だけあって、MACDに対する深い洞察が加えられた良書です。

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ジェラルド・アペル
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最後に、紹介したシグナルの頻度・精度・値幅についておおまかにランク付けしてみました。オススメはやはり、「ゼロラインより上のゴールデンクロス/下のデッドクロス」と「水平ラインブレイク」。例に挙げたチャートでもよく出現していましたね。
MACDラインとシグナルラインとのクロス
大きなスイングでの、適度な角度がついたクロス
頻度:C+  精度:B  値幅:B+
ゼロラインより上のゴールデンクロス、下のデッドクロス
頻度:A  精度:A-  値幅:A
その他のシグナルと同時に起こったクロス
頻度:A  精度:A  値幅:B+
トレンドラインをブレイクした後のクロス
頻度:C  精度:C  値幅:B
水平ラインブレイク
頻度:A+  精度:A  値幅:B+
ゼロラインとのクロス
頻度:B+  精度:B+  値幅:B
ゼロライン反発
MACDラインがゼロラインとクロスする直前で反転
頻度:B-  精度:B+  値幅:A-
MACDラインがゼロラインとクロスした直後に反発
頻度:B  精度:A  値幅:B+
MACDラインが左右対称な形を描いて反対側へ抜ける
頻度:B  精度:B+  値幅:B+
トレンドラインブレイク
頻度:C  精度:B-  値幅:A-
ダイバージェンス
頻度:C+  精度:C  値幅:A
逆ダイバージェンス
頻度:B  精度:B-  値幅:B+
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3 件のコメント:

  1. こんにちは、こちらからのSessions EXや紹介のfxonからCurrency Ranking、AutoFibo EXも愛用させていただいております~ありがとうございます。質問というか教えていただきたいのですがMACDヒストグラムの使い方をもう少し詳しく教えていただけないでしょうか?例えば文中にあります水平ラインブレイクなど出来たら宜しくお願いいたします。

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    1. ご贔屓にしていただき、ありがとうございます。
      MACDヒストグラムの項を加筆・修正しましたので、ご覧ください。

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    2. 読後~なるほどです&勉強になります! 言われてみれば「確かにっ!」です!!新たな視点が出来ました&有難う御座いました。

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