トレンドライン分析がその代表です。ライン上の水準は反発しやすく、抜ければ新たなトレンドの起点になります。
トレンドライン分析が境界となる水準を分析するのに対し、マーケットプロファイル(MP)分析は攻防の中心を分析するテクニカル指標です。
主戦場となった水準を視覚化
マーケットプロファイル分析は、「ある価格水準にどれくらい滞在したのか」を度数分布グラフで表します。
例えば15分足チャートで期間1日のマーケットプロファイルを作る場合には、96本(1日分)の足の中で、100.00を含む足が10本、100.01が12本、100.02が15本・・・、という形で集計していきます。
レンジ相場の中心となっている価格水準は、往復のたびに何度も通過するので、山となります。一方、一気に価格が動いたことで素通りされた水準は谷になります。
さらに、色のグラデーションを見ることにより、「その価格水準をつけたのが期間内のいつごろだったのか」を知ることができます。
図では前半はオレンジ、後半は赤になるようにグラデーションをつけています。最後のフレームのピーク(1.5738)を見てみると、前半1/3は赤寄りのオレンジ、後半2/3は赤になっています。攻防があったのは、期間の中盤~後半にかけてだと分かるのです。
ポジション状況を知るための目安になる
「移動平均は参加者のポジションの平均コストを表す」と以前書きました。マーケットプロファイルも同様の解釈ができます。つまり、期間内に作られたポジションのコスト分布であると考えることができます。
移動平均は「平均コストがどのように推移してきたか」を表すのに対し、マーケットプロファイルは「コストがどのように分布しているか」を表します。
山から離れた水準では、勝っている側が利食いしてまた戻ってくることもありますし、負けている側が損切りしてさらに乖離が進むこともあります。この辺りの性質はトレンドラインとよく似ています。
トレンドフォロー派はブレイクを知るために使用できますし、レンジ好きのトレーダーにとっては逆張りのためのツールになります。本家MPは、ピーク水準への回帰を狙った逆張りを主目的にしていたようです。
この他に、ダブルディストリビューションデー、オープンオークションなどといった形状の分類もあります。興味があれば、調べてみるといいでしょう。
FXマーケットプロファイル ~相場の心理と動きを読み取る 柏木淳二 Amazonで詳細を見る 楽天市場で詳細を見る パンローリング (2010/10/15) |
本家MPはアルファベットを並べてグラフを作っていた
マーケットプロファイルは1981年にシカゴの先物トレーダーJ. Peter Steidlmayerが開発しました。これはJohn Schultzの開発したミニマムトレンドという指標を基に、度数分布グラフを作るときに時間帯を考慮するように改良したものです。ミニマムトレンド(左)は○を並べてグラフを作っていたのですが、マーケットプロファイル(右)は9:00~9:30の間に価格をつければA、9:30~10:00ならB、というように時間帯ごとにマークを変えるようにしました。より多くの情報量を持つようにしたのです。
昔はコンピューターがなかったので、こうしたグラフを紙に手書きしていました。色分けで分かりやすいマーケットプロファイルを作れるようになったのは、コンピューターのおかげですね。
Sessions EXと好相性
アジア、欧州、NYの時間帯を色分けするインジケーターSessions EXは、マーケットプロファイル分析と好相性です。
もともとSessions EXは、各時間帯に作られたポジション状況やストップが集まる水準を分析するためのインジケーターでした。そこにマーケットプロファイルを組み合わせれば、鬼に金棒。相手の手の内が丸見えです!
というわけで、Sessions EXに組み込みこんでおきました。
Sessios EXに組み込まれたバージョンは、図のようにSessionsの色分けと重なるようになっていたり、ボタン操作が連動するようになっていたりと、使いやすいように変更されています。一方、グラデーションをつけると見づらいため、この機能は削っています。
パラメーター
M5~M30は一日、H1は一週間、H4は一か月、D1は一年、を期間としたプロファイルが描画されます。グラフは四角形オブジェクトを多数組み合わせて描画しています。描画されるオブジェクトの最大数は、ProfileNum × ProfileBarMax × ProfilrGradationNumで表されます。この値が大きくなりすぎると処理が重くなるため、パラメータを変える場合は、積が一定になるように調整することを推奨します。
パラメーター名 | デフォルト値 | 説明 |
---|---|---|
ProfileNum | 3 | 描画するプロファイルの数 |
ProfileBarMax | 200 | プロファイル一つ当たりの棒グラフ数 |
ProfileGradationNum | 10 | グラデーションの段数 |
EnableButton | true | On/Offボタンを表示するかどうか |
ShowOnInit | false | 起動時にボタンOnするかどうか |
ButtonXpos | 5 | ボタンの表示位置(X座標) |
ButtonYpos | 20 | ボタンの表示位置(Y座標) |
ButtonSize | 1 | ボタンの大きさ |
~Color | プロファイルやボタンの色 |
ダウンロード
重要水準をグラフ化、Market Profiler 最新バージョン: Ver 1.03 (2015.8.29) Market Profiler.ex4 |
ダウンロードさせて頂きました。
返信削除使い勝手良いですね!!ありがとうございます!!
お役にたちまして幸いです。
削除初めまして。
返信削除このインジは東京時間だけ、欧州時間だけというふうにMPを表示させる事は可能でしょうか?
ご質問ありがとうございます。
削除このインジケーターは市場ごとの表示はできませんが、Sessions EXというインジケーターでは5分足チャートで市場ごとのマーケットプロファイルを表示することができます。(右側のメニューバーにリンクがあります。)
お返事ありがとうございます。
返信削除とても素晴らしいインジですね!
使わさせて頂きますm(_ _)m
GER30、US30のCfdをトレードしています。MarketProfileは以前から使いたく思っていましたが内容成り立ちが解らずじまいでした。ありがとうございます。具体的に、前日、前々日のMPを使って今日の動きを推定することができるか、が課題です。事例でもありましたらご紹介ください。敬具
返信削除MPのピーク水準に対して相反する2つのとらえ方があります。逆張り派ピーク水準から離れたときに、またそこに戻ってくると考えます。順張り派はピーク水準から離れたときに、損切の動きが出てブレイクアウトが発生すると考えます。
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