各通貨ペアのチャートを見て利食いや損切りを決めてもいいのですが、せっかくポートフォリオを組んでいるのですから、全体の損益をチャートとして表示したいところです。
Currency Portfolioはそんなニーズに応えてくれます。
通貨ポートフォリオのチャートはトレードしやすい!
Currency Portfolioは、クロス円の通貨ペアで組んだポートフォリオのチャートを表示します。
例えば上図は、「USDJPY買い、GBPJPY買い、EURJPY売り、AUDJPY売り」のポートフォリオの日足チャートです。
通貨ペアの組み合わせで様々なチャートを作れるので、自分の得意なチャートを選んでトレードすることができます。
複数の通貨ペアで組んだポートフォリオはノイズ的な動きが少ない傾向があり、綺麗なチャートで安定したトレードができる点も大きな魅力です。
ボタンで時間軸を切り替える機能つき!
活用方法
通常のFXと同様に、チャートに従ってトレードします。上記のチャートを例にとると、上昇トレンドなら「USDJPY買い、GBPJPY買い、EURJPY売り、AUDJPY売り」のポジションを持ち、下降トレンドなら逆のポジションを持ちます。
ポートフォリオを組んでトレードするつもりでなくても、複数の通貨ペアのポジションを持つことがあると思います。そういった時に決済のタイミングを測る目的にも使用できます。
上下をひっくり返したチャートを作って目線を変える、なんていうトリッキーな使い方も。
計算方法
ポートフォリオのレート計算方法は次の通りです。Portfolio Rate = (R1*A1 + R2*A2 + ... + Rn*An) / Divisor + Offset
R1~n: | ポートフォリオに組み込む通貨ペアのレート |
A1~n: | 各通貨ペアの取引量 (買いは正、売りは負) |
Divisor: | 各通貨ペアの取引量の絶対値の合計(|A1|+|A2|+ … +|An|) |
Offset: | レートが負にならないための補正値 |
通常のクロス円チャートと1ポイント当たりの損益が同じになるように、Divisorで割って正規化しています。例えば、「ユーロ円1枚、ポンド円1枚のポートフォリオ」は「ドル円2枚のポジション」と1ポイント当たりの損益が等しくなります。
売りポジションを多く組み込むとレートが負になりますが、MT4のチャートは負のレートを描画できないため、Offsetを足して下駄をはかせています。
上位版:Portfolio Chart
数多くの点で大幅な強化が施された、ポートフォリオ・トレードの決定版ともいえるソフトです!こちらには体験版があるので参考にして下さい。兄弟ソフト: ポートフォリオのチャートを生成、Portfolio Chart 様々なポートフォリオのチャートを表示できる機能に加え、強力な分析機能を搭載しています!Currency Portfolioの兄貴分。 |
ポートフォリオ例
通貨と取引量の組み合わせによって、さまざまなポートフォリオを組むことができます。ここではその一例を紹介します。USD:1, GBP:1, EUR:-1
3通貨ペアを組み合わせたポートフォリオの週足チャートです。
- USDJPY: 1枚買い
- GBPJPY: 1枚買い
- EURJPY: 1枚売り
2011年11月から続いた非常に長く安定した上昇トレンドが、教科書的な見事なヘッドアンドショルダーとリターンムーブを形作って反転しています。
これほど美しいチャートは探してもなかなか見つかりません。順張り派トレーダーならば、このチャートを見たらトレードしたい気持ちを抑えることができないでしょう!
AUD:1, NZD:-1
2通貨ペアを組み合わせたポートフォリオの月足チャートです。
- AUDJPY: 1枚買い
- NZDJPY: 1枚売り
一見ただのレンジ相場のチャートですが、特筆すべきは2001年1月から2016年4月までの間の変動がわずか11.5円であること。(ドル円はこの期間に60円も動いています。)
極めて安定したポートフォリオで、アービトラージ(さや取り)に向いていると言えるでしょう。
AUDNZDと何が違うの?
豪ドル買いでNZドル売りならばAUDNZDと同じではないのか、と思うかもしれません。答えはNOです。
上図は同期間のAUDNZDの月足チャートですが、AUDJPYとNZDJPYのポートフォリオのチャートとは少し形が異なります。チャートが異なるのは、取引内容が異なるからです。
仮にAUDJPY=90円、NZDJPY=60円として考えてみましょう。
このポートフォリオをロングすると、
- 証券会社から90万円借りて、証券会社に1万豪ドルを貸す
- 証券会社から1万NZドル借りて、証券会社に60万円を貸す
- 証券会社から1.5万NZドル借りて、証券会社に1万豪ドルを貸す
異なる取引だから損益(チャート)が異なるのです。言われてみれば当たり前ですね。
ちなみに同期間のAUDNZDの変動は3800ポイント(≒38円)。変動が少ないためアービトラージによく使われる通貨ペアですが、実はAUDJPYとNZDJPYの組み合わせの方が断然向いているのです。
ポートフォリオを組むとスワップでも有利!
通貨ペアのポートフォリオを組むと、異なるブローカーでポジションを持つことにより、スワップを有利にすることができます。スワップが高い(スワップ差が大きい)ヒロセ通商と、スワップが低い(スワップ差が小さい)YJFXを例に見てみましょう。
- AUDJPY: +50/-80 (ヒロセ通商) +54/-55 (YJFX)
- NZDJPY: +60/-90 (ヒロセ通商) +50/-51 (YJFX)
- AUDNZD: -29.3/0 (ヒロセ通商)
ポートフォリオを組むとロングが+50-51 = -1円でショートが+60-55 = +5円となり、マイナススワップがほとんど生じません。この点でもAUDNZDよりもアービトラージ向きだと言えます。
使い方
Currency Portfolioは通常のインジケーターとは使い方が異なります。- 任意のチャート上でスクリプトOffline Chart Makerを実行
(パラメーターSymbol(10文字以内)を設定して実行します。) - ファイル→オフラインチャートから、作成したオフラインチャートを開く
(生成されたチャートは名前の先頭に”!”がついています。) - このオフラインチャート上に、Currency Portfolioをセット
(チャートとボタンが表示されます。)
注意点
ポートフォリオに組み込めるのは、USDJPY、EURJPYなど日本円が建値通貨となっている通貨ペアです。チャートデータがローカルにない場合は、チャートを正しく表示することができません。その場合は、ポートフォリオに組み込んでいる通貨ペアのチャートをM1~MN1まで開き、サーバーからデータをダウンロードしてください。
ポートフォリオに組み込んだポジションの方向に関わらず、各通貨ペアのBidレートを用いてレートを計算しています。このため、スプレッド分の誤差が生じます。
それぞれの足の高値・安値は、下位の時間軸の始値・終値を用いて計算しています。時間をさかのぼるにつれて下位時間軸のデータを参照できなくなるため、ヒゲが短くなっていき最終的に坊主足になります。(1分足チャートは全て坊主足となります。)
生成したチャート上では、ほとんどのインジケーターが動作しますが、それら全ての動作を保証するものではありません。
パラメーター
パラメーターPortfolioに、”USD:1, EUR:-1, GBP:1”のようにポートフォリオを指定します。DivisorやOffsetはデフォルトでは自動計算されますが、特定の値を指定することも可能です。
チャートはRefreshInterval秒ごとに更新されます。
生成する足の本数をNumBarsMaxで設定できます(最大5000)。利用する下位時間足の本数もこれと同一です。小さくすると軽くなる一方、すぐに坊主足が現れます。
パラメーター名 | デフォルト値 | 説明 |
---|---|---|
Portfolio | 生成/表示するポートフォリオ | |
TimeframeList | M5, M15 ... | 時間軸のリスト(カンマ区切り) |
Divisor | Auto | レート計算の除数 |
Offset | Auto | レート計算の補正値 |
RefreshInterval | 1 | チャート更新間隔 [秒] |
NumBarsMax | 5000 | 生成・利用する足の本数(最大5000) |
ButtonXpos | 5 | ボタンの位置(X座標) |
ButtonYpos | 20 | ボタンの位置(Y座標) |
ButtonFontSize | 10 | ボタンの文字の大きさ |
~Color | ボタンの色 |
ダウンロード
通貨ポートフォリオ、Currency Portfolio 最新バージョン: Ver 1.03 (2016.5.15) GogoJungleからダウンロード |
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