MACDの本当の使い方（４）： トレンドラインブレイク

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「MACDの本当の使い方」シリーズ第四回は、”トレンドラインブレイク”についてです。

名前から大体予想がつくと思います。これについて触れているWeb記事や書籍も見かけますね。

トレンドラインは視点を引いて探そう

トレンドラインの引き方はチャートと同じで、スイングの頂点同士を結んでいきます。トレンドラインをブレイクしたところで仕掛けます。

トレンドラインは一般に、より長いほど、より多く試されているほど有力になります。そして有力であればあるほど、ブレイクの精度は高くなり、その後の動きも大きくなります。

下図のチャート（ドル円1時間足）では、3点で結ばれたサポートラインがブレイクしています。ブレイク前にはダイバージェンスが出ています。さらに水平ラインブレイクも同時に発生しており、なかなか期待できる形です。調整の下落が始まるタイミングを上手くとらえていますね。

長いトレンドラインを探すときには、視点を引いて見るのがおすすめです。どうですか、気付きやすくなったと感じませんか？

チャート上には現れない、隠れたトレンドを見抜け

MACDのトレンドの興味深いところは、チャート上に引いたトレンドラインとはまた違った情報を読み取れることです。

日経平均の1時間足です。MACD上では4点で結ばれた、長く明らかなレジスタンスラインを引くことができます。

ところがチャート上では、対応するスイングポイントを結んでみても、特別何もありません。MACDのトレンドに注目していれば、チャート上には現れない、隠れたトレンドを見抜くことができるのです。

ブレイクしたポイントはチャート上では何気ない、上昇トレンドのど真ん中です。しかし実は、「ゼロラインより上のゴールデンクロス」「水平ラインブレイク」を同時に満たしている、かなり期待できるエントリーポイントなのです。

今回の場合は、その前に「ゼロラインクロス」と「ゼロラインより上のゴールデンクロス」が1か所ずつありますから、既にポジションを持っている可能性もありますね。そういう場合は、ブレイクしたところですかさず増し玉です！

もう一つの注目点は、有力なトレンドラインはブレイクされた後も相場に影響を与える、ということです。今回のケースでは、レジスタンスラインとして機能していたものが、ブレイクした後にサポートラインへと役割を変え、一度試されていますね。

トレンドラインブレイク後のシグナルクロス

トレンドラインブレイクをした後にシグナルクロスが起こると、通常のシグナルクロスより強くなります。ブレイクして大きく動いた後の反発を捉えることができるからです。

具体的には以下の2パターン。「ブレイクした後」とは同時や直後でないことに注意してください。

1. サポートラインをブレイクした後のゴールデンクロス
2. レジスタンスラインをブレイクした後のデッドクロス

この例（ポンドドル4時間足）では、サポートラインをブレイクをした後に発生したゴールデンクロスが、良い買いのエントリーポイントになっています。

ただ、これを良いシグナルクロスに含めなかったのは、シグナルとして扱うには精度に欠けるからです。日経平均の例のようにトレンドが強い場合や、トレンドラインブレイクの後の動きが小さい場合にはダマシになりやすい傾向があります。

他の根拠があるとき、それらをサポートする形で利用するといいでしょう。

他のシグナルと同時にブレイクが発生したところを狙え

MACDのトレンドラインブレイクは、それ単体をシグナルとしてトレードするにはやや精度が不足している感があります。

日経平均の例のような4点で結ばれた長いトレンドラインのブレイクならいいのですが、2点を結んだだけのラインをブレイクしただけではシグナルとしては弱いです。

幸いなことに、「MACDラインとシグナルラインとのクロス」や「水平ラインブレイク」など、他のシグナルが同時に発生することが多いので、これらを補強する役目で使用するといいと思います。

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次回は”ダイバージェンス”です。

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