「MACDの本当の使い方」シリーズ第七回は、ダマシへの対処法についてです。
テクニカル指標につきもののダマシ
非常に優秀なMACDですが、決して聖杯ではありません。もしそうならば、今頃ゲイツの家でバフェットを交えてランチしているはずです。しかし、ダマシを見極める方法を知っていれば、青山でランチくらいなら叶うかもしれません。
まずは、MACDを使って失敗する場面を挙げてみます。
- 狭いレンジ相場でMACDを使ってしまった。
- 悪いシグナルクロスに引っかかった。
- 正しいシグナルに従ったが、ほとんど動かなかった。
- 正しいシグナルに従ったが、反対に持って行かれた。
2は良いシグナルクロスと悪いシグナルクロスの条件をしっかり理解していれば、問題ないはずです。
問題は3と4です。豪ドルドルの日足で説明します。
1つ目は「大きなスイングからのゴールデンクロス」で買い、なのですが逆ダイバージェンスでMACDが上がっただけでした。実はこれの前に、MACD上でより大きなスイングが出ていたので、その時点で見込みが薄いのですが、今回はあえて隠しました。
2つ目は、見事な逆ダイバージェンスからの「ゼロラインより下のデッドクロス」で売り。チャート上でもレンジブレイクしており、期待が高まるのですが。。。結果はなんと、まさかのどん底掴み!これはキツイ。。
でもご安心を。完璧ではないものの、これらに対処する方法はちゃんとあります。
解決策1: 気にせず攻める
まずは1つ目のダマシを解決しましょう。このような、反発を狙ったものの相場が動かないパターンは良くあります。1つ目の解決は至極単純。気にせず攻める、です。
これまで紹介したシグナルは、成功率の高いものばかりです。きっちり利を伸ばせれば、それだけでトータルで利益が出せるはずです。
幸いにも、逆ダイバージェンスが出る局面では相場はほとんど動かないので、大きなやられは出ません。建値もしくは微益で撤退できることも多いでしょう。
逆ダイバージェンスが成立するまでに十分時間があることも救いです。間違った側にポジションを持ってしまった、と冷静に分析する時間が与えられているのです。
解決策2: 上位の時間足に目を向ける
テクニカル分析の基本ですが、上位の時間足にも目を向けて、広い視野で相場を眺めることも大切です。これは週足で、黄色の枠で囲ったところが日足チャートに写っていたところです。1つ目のダマシは、オレンジの枠のところで起こりました。
2013年夏から1年におよぶ長大な逆ダイバージェンスが発生しています。デッドクロスの後に、「左右対称に反対側に抜けるゼロラインクロス」と「トレンドラインブレイク」が続き、非常に期待できる形です。
チャート上でも最後は非常に狭いレンジをブレイクし、一気に下落しています。
そして、ちょうど1つ目のダマシが起きる直前に水平ラインブレイクをしています。ここから一層の下落をしようという局面で逆張りをしてしまったのです。
結果はご覧の通り。週足を見ていれば、まず引っかからなかったでしょう。
解決策3: 複数のパラメーターを使う
短期と中期、中期と長期など複数のパラメーターのMACDを使用することもおススメです。私自身も短期と中期の2つを使っています。MACDを開発したジェラルド・アペルは著書「アペル流テクニカル売買のコツ」で以下のパラメーターを推奨しています。
- 短期: 6, 19, 4
- 中期: 12, 26, 9
- 長期: 19, 39, 12
中期のMACDではどん底を掴まされてしまいましたが・・・、なんということでしょう!短期のMACDでは150ポイントの利益が出るトレードに変わっています。
「見事な逆ダイバージェンス」、「ゼロライン直前の反転」、「ゼロラインより下のデッドクロス」、「水平ラインブレイク」、文句なしですね。
中期のMACDを見て増し玉をすると利益を飛ばしてしまいますが、少なくとも損は出さないトレードになったはずです。
短期のパラメーターのMACDを見るということは、下位の時間足を見ることと似ています。MACDを二つも表示したくない人は、一つ下の時間足もモニターするといいでしょう。
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次回はいよいよ最終回です。今回はダマシ対策として活躍したMACD二刀流を、チャンスを増やすために役立ててみます。
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